先日ゴールデングローブ賞授賞式が行われました。
その時に世界中が注目する中で
メリルストリープが痛烈に次期大統領のトランプ氏を批判しました。
今日はそのお話です。
ゴールデングローブ賞でのスピーチ
メリルストリープは私の大好きな女優です。
ひと昔、『 マディソン郡の橋 』が好きで
何度も何度も映画を見ました。
今までの華麗なる彼女の女優としての経歴は言うまでもありません。
米アカデミー賞においては、史上最多19回のノミネートに、
アカデミー賞を3度も受賞大女優です。
世界中が知っている、世界中が見ているその生涯功労を称える
『セシル・B・デミル賞』を受賞した受賞スピーチで、
彼女が話し始めたことは、ただひとことで『トランプ批判』というに値せず、
人種差別や人道を守るために、そして世界中にいるいじめに
苦しむ弱者を守るためのスピーチでした。
彼女自身、つい先日公私ともに親交の深かったスターウォーズの
レイア姫ことキャリー・フィッシャーを失い、声も出なくなるほど悲しみにくれ
憔悴した状況の中、ここの場に立たれています。
こころに響く6分間のスピーチです。
このスピーチの中で彼女は、『無礼は無礼を招き、暴力は暴力を招きます。』
『権力者がその地位を使って他者をいじめたら、それを見た人たちは
そうしてもいいのだと思うようになります。そうなったら私たちは全員負けなのです。』
と述べています。
「抗議の怒りがある時、信念を持ち、声を上げる報道機関が必要なんです。
前に進むためには報道が必要だし、真実を守るために我々が必要です。」
そしてスピーチの一番最後に亡くなったキャリー・フィッシャーの言葉を引用して
「壊れた心を取り出してそれを芸術に変えましょう」
と述べ拍手喝さいを得たのでした。
演技以上に、人としてカッコイイ女性は、そういませんね。
女優 メリルストリープ
1977年映画 『ジュリア』でデビュー。
アントン・チェーホフ作の『桜の園』の彼女の演技に目を止めたロバート・デ・ニーロが、
『ディア・ハンター』の相手役としてストリープを推薦しました。
メリルストリープはこの作品で第51回アカデミー賞助演女優賞にノミネートされました。
このあとに続く彼女の賞レースでの経歴も輝かしいものばかりです。
■1979年 『クレイマー、クレイマー』 アカデミー助演女優賞
■1982年 『ソフィーの選択』 アカデミー主演女優賞を受賞
■2011年 『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』 アカデミー主演女優賞を受賞
プロフィール
彼女は奨学金を得て、イェール大学演劇大学院で学んでいます。
絶対音感を持っている彼女。
ミュージカル女優としての実力を併せ持ち、
巧みに『訛り(なまり)』を操ることができる女優さんとして有名です。
Mary Louise Streep
生年月日 1949年6月22日(67歳)
国籍 アメリカ合衆国
トランプ氏の反撃
案の定トランプ氏もこれに対して即ツイートし、
彼女のことを
「私のことをよく知りもしないで。
アメリカで最も過大評価された女優だ。」
とひどいことを言っていました。
トランプさん、ちょっとあきれるくらい子供っぽいですね。
メリルストリープを馬鹿にした発言をしたトランプ氏に対して、
ジョージクルーニーも
「そんなことより国をまとめることを考えなさい。」
とごもっともな発言しています。
さらには、彼女がその演技に憧れて女優を目指すきっかけとなった
名優、ロバートデニーロも彼女にあてた手紙に
「君のスピーチは素晴らしかった。誰かが言わなければならないことを、
実に優雅に上手く表現していた。世界が君の業績を称える場だった
にもかかわらず、きみが起した行動は立派だった。
未熟者やろうぜき者に対するきみの意見に同感だよ。もうたくさんだ」
と彼女を擁護するメッセージが書かれていました。
さらに、以前私の記事の中でもご紹介したセレブとの『カープールカラオケ』で
歌の上手さに定評があり知られているる『ザ・レイト・レイト・ショー』の
司会者ジェームズ・コーデン(38歳)も
「メリルが過大評価だなんで、むしろリアリティ番組出身で
自己破産経験のあるスターが大統領に選出されることも同じことだ。」
とトランプ氏こそが過大評価だと皮肉を言っています。
いちいちツイートするこんな大統領では、
自国の人が不安になる気持ちもわかりますね。
まとめ
自分の意見を言うことは、時として批判を招きます。
それが嫌で自分の主張があっても意見を言うことを
やめてしまう人も多いはずです。
この場所で、このタイミングでこれだけの多くの人の前で
これだけのスピーチをした彼女の勇気が素晴らしい。
女優として素晴らしくある以前に
人として素晴らしい筋の通った信念をもっていなければ
これだけの人物にはなれないということを
このスピーチから学ばされました。
トランプ大統領もいよいよ(とうとう?)就任しました。
今後どのような展開が待ち受けているのか
注意深く見守りたいと思います。
追記:トランプ大統領への抗議は続き、あらたにイラン人の
女優タラネ・アリシュスティさん(33)がアメリカ行われる
アカデミー賞受賞式に出席しない意向を明らかにしています。
アカデミー賞外国語映画賞にノミネートされている「セールスマン」に
出演しているアリシュスティさん。
原因はトランプ米大統領がイランなどの人々へのビザ(査証)発給を
停止する方針であることに抗議するためです。
トランプ大統領を「人種差別主義者」と批判しています。
ロイター通信によりますと、イスラム教徒が大多数を占めるイランや
イラク、シリアなど7カ国へのビザ発給停止をトランプ大統領は
命令する見通しとなっています。
追記:この記事のトップの写真はトランプ大統領そっくりになって
ニューヨーク・パブリックシアター・ガラの舞台に
立たれたメリルストリープです。
今だ消化しきれない問題山積みでの彼女の勇士です。